多肢選択式の解き方って何かポイントがありますか?
合格者の実際の解き方を知りたいです。
前回の記事(多肢選択式におすすめの問題集)はこちら↓↓↓↓
今回のテーマは多肢選択式の解き方です。
おそらく初めて行政書士試験を受験するあなたは、多肢選択式についてなんだか苦手意識を持ってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに私自身、行政書士試験の勉強を始めたころは多肢選択式についてあまりいい印象はもっていませんでした。なんか特別に策を練らないと解けないんだろうなあぁとか思っていました。
そういうわけで今回は、私が実践していた多肢選択式の解き方をあなたに伝授していきます。
多肢選択式の解き方のポイント
ではまず多肢選択式の解き方の大まかな流れを説明していきましょう。これから紹介するのは私が実際にやっていた手順なので、これが正解というわけではないです。ですが参考になる部分もあるはずなので読みすすめてください。
まずどの分野からの出題かを理解
多肢選択式の問題には、次の空欄のア~エに当てはまる語句を選択肢から選びなさい。としか書かれていないので自分でこれはどの分野もしくは判例なのかを見極める必要があります。
選択肢の語句を確認しグループ分けする
そして多肢選択式では選択肢が20個もあります。それも似たような内容の語句がちりばめられているのが特徴です。例をあげると、
- 積極的
- 中立的
- 消極的
というようになんだか同じような言葉がたくさん並べられています。そしてそれをグループ分けしていくと、だいたい空欄1つにつき何択かに絞ることができます。
まずはある程度でいいので、語句をグループ分けすることをオススメします。
知識と前後の文脈などから当てはめていく
そうしてある程度グループ分けしたものから、自分の持っている知識と前後の文脈などを読み解いて空欄を埋めていくという流れです。
次項でこれらの流れを、実際に出題された過去問を例に挙げて解説していきます。おそらく例題を見た方がわかりやすいかと思いますので。
実際に例題を解いてみよう!
それでは実際に例題を紹介しますので、解説を加えながら上の流れに沿って解いていきます。ちなみに2013年度に出題された問題です。
↓以下例題↓
行政上の義務違反に対し、制裁として科される罰を(ア)という。(ア)は過去の義務違反に対する制裁である。
(ア)には行政上の義務違反に対し科される刑法に名のある罰と、行政上の義務違反であるが軽微な形式的違反行為に対して科される行政上の(イ)とがある。
(イ)は(ウ)という名称で科される。普通地方公共団体も法律に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に(ウ)を科す旨の規定を設けることができる。
(ウ)を科す手続については、法律上の義務違反に対するものと条例上の義務違反に対するものとで違う。条例上の義務違反に対して普通地方公共団体の長が科す(ウ)は、(エ)に定める手続により科される。
- 強制執行
- 科料
- 強制徴収
- 過料
- 行政事件訴訟法
- 禁固
- 行政罰
- 執行罰
- 即時強制
- 非訟事件手続法
- 直接強制
- 地方自治法
- 行政刑罰
- 代執行
- 課徴金
- 刑事訴訟法
- 罰金
- 懲戒罰
- 秩序罰
- 行政手続法
①まずこの問題はどの分野もしくは条文からの出題なのかというところを認識するんでしたね。正直この問題は簡単な部類なんで、すぐわかったという人も多いと思います。
問題文と選択肢から判断することになりますが、秩序罰とか行政刑罰とかっていうのがありますけど…行政法総論の行政罰の分野だとわかりますね。まずこれで第一段階はクリアです。
②次は選択肢をグループ分けするんですね。この問題の場合だと、
- 代執行法、刑事訴訟法、行政事件訴訟法、地方自治法、非訟事件手続法
- 秩序罰、懲役、行政罰、行政刑罰、懲戒罰
- 公表、代執行、強制執行、間接強制、直接強制
- 科料、過料、罰金、禁固、課徴金
おおむねこのようなグループに分けられます。このとき完璧に分けることができなくても大丈夫です。大切なのは空欄に正しい答えを埋めることですので。
③最後は空欄に当てはめていく工程です。ここでは(ア)についてみていきます。
ここでまず気づくべきポイントは罰を(ア)という。と書いてあり、その罰は二つに分けられるという点です。まずここにフォーカスします。
はい、ここでグループ分けに戻ります。その罰とあるので~罰となるのは明確ですね?そうすると2のグループしかありませんね。この時点で5択ですね。
そして次にこの(ア)罰は二種類に分けられると問題文に書いてありますよね?ここで思い出して欲しいのが行政罰は行政刑罰と秩序罰に分けられるという知識です。ですので(ア)には行政罰が当てはまるというわけです。
さらに言えば、行政上の義務違反に対する罰とあるので、懲役と懲戒罰はありえません。このように文脈をみて選択肢を切ることもできます。
多肢選択式は通常の択一式の対策をしておけば十分である、と冒頭にお伝えしました。それは例題の(ア)の部分でわかったんじゃないでしょうか?それに加えて前後の文脈なんかから選択肢を切っていくことも可能なので、ある意味テクニックも多少使えるんですね。
この(ア)と同様に(イ)~(エ)も解けますので時間があれば考えてみて下さい。
以上が多肢選択式の解き方の流れとなります。参考にして挑戦してみて下さい。
まとめ
今回は行政書士試験において重要なポジションである、多肢選択式の解き方について述べてきました。
多肢選択式は過去問を解いて解き方になれることが大事です。もちろん今回紹介した私の解き方が絶対正しいとは限りませんが、再現性は高いので取り入れてみる価値はあると思います。
それでは多肢選択式では確実に点数を稼ぐことができるように、あなたなりに取り組んでみて下さいね。