外国人には地方選挙権が認められないのか?

憲法判例
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外国人には地方選挙権が認められていないんですか?

その判例についてくわしく教えてください。

今回は外国人の地方選挙権について解説していきますが、この判例はばっちり理解できていますでしょうか?

なんだかまだあやふやだとか、完璧ではないという方は今回の解説でやっつけてしまいましょう。

試験で狙われがちな判例ですから、特に重要ポイントを押さえるようにして下さい。

それでは解説していきます。

外国人の地方選挙権について

事案

特別永住者であるX(以下ヌメよしと呼ぶ)は居住する地域の選挙管理委員会の名簿に自分を載せるように要請したが却下された。

これを不服としてヌメよしは訴えをおこした。

判旨

  1. 憲法15条1項の公務員を選定罷免する規定は権利の性質上日本人だけを対象にし、日本に在留する外国人には及ばないと解するのが相当である
  2. 憲法93条2項にある住民とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本人を意味すると解するのが相当である
  3. この規定は日本に在留する外国人に保障したものということはできない
  4. 地方自治に関する規定は、住民生活に関連する事務は住民の意思でその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障するとした
  5. その地域に居住する外国人でもその地域と緊密な関連を持つと認められる者にはその意思を事務に反映させるため、法律をもって議会の議員に対する選挙権を与える措置は憲法上禁止されるものではない

外国人の地方選挙権のポイント

  • 公務員を選定罷免する権利は日本人だけに認められる
  • 憲法上の住民とは日本人を意味し、外国人に選挙権を保障するとはいえない
  • 法律をもって地方議会議員の選挙権を与えるのは憲法上禁止ではない

もう少しかみ砕いてみます。

公務員(議会の議員など)を選ぶ権利は日本人だけにある。憲法に書いてる住民も日本人のことを指し、外国人は含まれない。

憲法に住民自治を保障した規定があるが、これには外国人に対し法律で選挙権をあげます!と決めても違憲にはならない(この選挙権付与で外国人も住民自治に貢献できる)。

ということになります。

外国人の地方選挙権の出題例

外国人の地方選挙権の判例において出題されるパターンは2つです。

・地方議会の議員を選挙する権利は、日本人と同様に外国人にもその地域に緊密な関連があれば保障される

・日本に在留する外国人で、移住している地域と緊密な関連があったとしても、法律によって地方議会の議員に対する選挙権を与えることは憲法上認められない

どちらも謝った肢になります。どこがおかしくて誤りなのか上のポイントの部分で確認してください。

まとめ

今回は外国人の地方選挙権について解説してきました。この判例は私自身過去問、模試で何度となく出くわしてきました。

当然ながらこの先必ず本試験でも出題されるはずです。今回挙げたポイントを理解して、出題例をどこが間違っているのかしっかり確認しておきましょう。

今回の解説が役に立ったら嬉しいかぎりです。

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