群馬司法書士会事件~震災カンパの為に組合員からの費用徴収~

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ヌメまさ
ヌメまさ

公益法人である司法書士会が震災で被災した地域に復興支援のためのカンパをするために、会員から負担金を徴収するのはいいのか?

今回は群馬司法書士会事件というものについて取り上げます。司法書士会はいわゆる公益法人といわれるものに分類されます。前々回に税理士会の政治献金は違法ではないのか?という判例を紹介しました。

こちらの記事を参考下さい。

税理士会政治献金事件~公益法人の行う政治献金は目的の範囲内か?~

税理士会の時は結論をいうと違法である、となりました。しかし今回は同じ公益法人でも政治献金ではなく震災の復興支援といういわば善意の行動です。このための費用を会員からとれるのか?というのが最大の焦点です。

この部分を理由とともになぜそういう結論になるのかを説明していきます。

群馬司法書士会事件の全体像

最初に結論

カンパという目的は合理的であり、その金額が大きいとしても、一人あたまの負担額は小さいので違法ではない。

事件の経緯

阪神淡路大震災によって兵庫県司法書士会が被災してしまった。そこで群馬司法書士会はカンパをするために会員に負担金を徴収する旨の決議を行った。

しかし会員の一部からこの決議に対して疑問の声が上がったため、争われることになった。

判旨

  • 司法書士会には他の司法書士会との間で協力や援助をすることも活動範囲に含まれるといえる
  • 3000万円という金額は大きいが、膨大な被害を生じさせた災害であるという事情を考慮するとその金額の大きさをもって目的の範囲外であるとはいえない
  • 司法書士会が強制加入団体であるといえども、本件の負担金額が登記申請1件につき50円という金額であるならば過大な負担とはいえない

この事件のポイント

押さえるべきポイントは2つです。

  1. 司法書士会が決定した3000万円というカンパの金額は、その金額の大きさをもって目的の範囲を逸脱するものとは言えない
  2. 本件のカンパの額は会員に過大な負担を課すものではなく、会員の協力義務を否定すべき事情はない

今回の判例で押さえるべきポイントは結構単純です。簡単にまとめると、

カンパという目的は合理的で、またその金額が大きいからといっても違法ではなく、会員一人あたまの負担も小さいからOK

この一文だけでも理解して頭に入れておけばそれで大丈夫です。ちなみに会員一人あたまの負担額は登記申請一件につきわずか50円とのことでした。登記申請の仕事を仮に1ヶ月に100件したとしても5000円なら安いですよね。

予想される出題例

·震災の為のカンパは援助という正当な理由であるとしても、3000万円という大きな金額であるので司法書士会の目的の範囲を逸脱するものといわざるを得ない。

·司法書士会は強制加入団体であるため、いくら震災の為のカンパといえども会員からその費用を徴収するのは許されない。

ここではこの2つのパターンを押さえておけば問題ないでしょう。ちなみにどちらも間違いですね。わかりましたか?

ポイントのところでも挙げましたが、いくら強制加入団体でもカンパくらいならOKと覚えておけば問題ないです。

まとめ

今回は群馬司法書士会事件より、公益法人がカンパのための費用を会員から徴収できるのか?というテーマで説明してきました。

この判例はそこまで複雑ではありませんから、出された結論となぜその結論に至ったのかを頭に入れておけば大丈夫です。

他の法人、公益法人、労働組合の判例と見比べながらごちゃ混ぜにならないように理由と結論を整理して勉強して下さい。

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