信教の自由の判例まとめ

憲法判例
この記事は約6分で読めます。

信教の自由の分野全般について見たいです。

まとめてもらえると助かります。

そこで試験で問われやすいところを中心にまとめていきます。特に大事な判例は別に詳しいリンク記事も用意しておりますので、そちらもぜひ確認してみて下さいね。

それでは説明していきますよ。

信教の自由の概要

まずは信教の自由についての条文や意義についてまとめていきます。

信教の自由の条文をチェック

  1. 信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も国から特権を受け、または政治上の権力を行使してはいけない。
  2. 何人も宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加することを強制されない。
  3. 国およびその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

信教の自由の分野の条文は以上の3つです。

信教の自由の意義

信教の自由というものは大日本帝国憲法でも実は保障されていました。ただし現在とは違って、その保障は十分ではありませんでした。

その反省を踏まえて、日本国憲法では個人の信教の自由の保護具合を高め、また国と宗教の分離を明確にするための規定を決めたわけです。

信教の自由の限界

ただし何でもかんでも権利を認めるということは、公共の福祉というものがありますから許されないわけです(ただし内心の自由は絶対的に保障される)。

そこで信教の自由が規制される対象になった判例を2つ紹介します。

加持祈祷事件

これはどういう事件か簡潔に説明すると、祈祷師が信者を加持祈祷行為によって死に至らしめたというものです。祈祷師は祈祷は宗教的行為なので無罪やろ?と主張したわけです。

まぁこれはなんとなくわかると思いますけど、人を殺しているんですから、当然有罪ですね。なんでもかんでも保護されるということはありえないことを裏付けた判例でしょう。

宗教法人解散命令事件

次に紹介する判例は宗教法人解散命令事件というものです。この判例はいわゆるオウム真理教のことです。地下鉄サリン事件後に団体に対して解散しなさい、という命令が出たことに信者が怒った事件です。

つまり解散することによって、今まで行ってきた宗教活動ができなくなるという訴えです。しかし、最高裁はこの事例では解散命令はやむなしで、信教の自由を侵害しないと判示しました。

まぁ地下鉄サリン事件以外にも様々な事件を起こしていましたから、これは社会的影響を考慮すればやむを得ず、信者の宗教活動の自由を保障する優先度は低くなるのも無理はありません。

この宗教法人解散命令事件についてはくわしくこちらの記事に載せています。ご覧ください。

宗教法人解散命令事件~解散命令は信教の自由を侵害する?

政教分離原則

さてここからは政教分離に関する判例を紹介していきます。この分野では例えば、

  • 政教分離の程度
  • 公金の支出
  • 信仰と教育

などの問題が絡んできます。これらの程度や目的がどのくらいであるかで結論も変わってきますから、結論とそれに至る理由をしっかり押さえておくべきです。

津地鎮祭事件

まずは津地鎮祭事件です。この事件で問題になったのは、

  • 地鎮祭は宗教的活動にあたるのか
  • 地鎮祭に公金を支出する行為は特定の宗教への助長にならないのか

といったことが問題になりました。最高裁の結論は、

  • たしかに地鎮祭は宗教と関わり合いをもつことを否定しないが、宗教的活動にはあたらない
  • 宗教的活動にならない地鎮祭への公金の支出は問題ない

ということになりました。

さらに詳しく知りたい方は別記事で解説しています。読んでみて下さい。

津地鎮祭事件~地鎮祭は宗教的活動にあたるのか?

愛媛玉串料訴訟

続いては玉串料訴訟です。これも1つ前の地鎮祭事件と似たような事件で、護国神社への玉串料を公金から支出した行為が問題ないのかが争われた事例です。

結論としては、このケースの場合は違法であるとされました。なぜならば、

  • 神社は宗教団体である
  • 玉串料は氏名を記して神社に供えられるもの

なので玉串料を収める行為は、特定の宗教団体と関わり合いを持つことになるといえるという結論です。

別記事でもっと深堀していますので合わせて確認ください。

玉串訴訟~特定の神社に県が玉串料を奉納するのは違憲か?

蓑面市忠魂碑訴訟

続きまして、蓑面市忠魂碑訴訟という判例です。この事件で争点となったのは、

  • 戦没者の遺族が設置した忠魂碑の移設費と移設後の土地の無償貸借行為を行った市の行為は違法ではないのか

結論を簡潔に説明すると、

  • 遺族会は宗教団体ではない
  • 忠魂碑の移設は市の都合であり、そのための移設費の負担等の行為は問題ない

ということになりました。

この判例についてさらに詳しく知りたい方はこちらの別記事もどうぞ。

箕面市忠魂碑訴訟~市有地の無償貸借行為は政教分離原則に反するか?

自衛隊員合祀訴訟

続きまして自衛隊員合祀訴訟です。この判例で問題となったのは、

  • 妻の信仰に反して亡き夫を合祀されたのは妻の宗教上の人格権を侵害しないか
  • 亡くなった自衛隊員を合祀することにした隊友会(自衛隊のOB会的なもの)の行為は宗教的行為になるか

ということでしたが、最高裁は

  • OB会の行為は宗教的行為ではない
  • 妻の静櫃な宗教的環境下で信仰生活を送るべき利益なるものは認められない

という結論でした。

この自衛隊員合祀訴訟についてさらに掘り下げて書いた記事です。確認ください。

自衛隊員合祀訴訟~自己の信仰に反して夫が合祀されたのが許せない…

剣道実技拒否事件

続きましては剣道実技拒否事件です。こちらはいわゆるエホバの証人の信者である生徒が剣道実技を信仰上の理由で拒否したというものです。

その結果その生徒は退学処分を食らってしまうわけですが、その退学処分を食らわせた校長の判断はおかしいじゃないかといって争われました。

簡潔にこの事件の結論を述べると、

  • 校長にはたしかに裁量権が認められる
  • 剣道実技を拒否したからといって代替措置もとらず退学としたのは裁量権の逸脱で違法である

と判示しました。例えば代わりにレポートを提出させるなどの措置をとっていればこんな争いにもなっていなかったのかもしれませんね。

この事件も別で解説したものがあります。読んでみて下さい。

剣道実技拒否事件~校長に処分の裁量権は認められるのか?

砂川市有地無償提供訴訟

さて信教の自由の分野で最後の判例になります、砂川市有地無償提供訴訟です。この判例は3つ前に取り上げた箕面市忠魂碑訴訟と事例が似ているので気を付けなければなりません。

この事件では、市が町内会に対して市有地を無償で提供した行為が問題ないのかが争われました。ちなみにこの提供された土地は氏子集団という宗教的行事を行う団体が実質の使用者でした。

これらの事情を踏まえて最高裁が出した結論が、

  • 氏子集団は宗教的組織である
  • 市は町内会に土地を無償提供したが、結局は実質的な使用者の氏子集団に提供したことになる
  • つまり宗教団体への助長にあたってしまう

と結論付けました。

この判例も別記事で詳しく述べていますので、ご覧下さいませ。

砂川市有地無償提供訴訟~町内会への市有地無償提供は問題ないか?

まとめ

今回は信教の自由という頻出テーマについて、まとめ記事という形で紹介してきました。今回取り上げた判例はどれも本試験で問われる可能性が高いものばかりです。

一通り理解して、あとは自分の使っている教材でアウトプットを十分に行うようにしてください。この分野を得意にできれば点を稼ぐことができる可能性が高ります。

それでは引き続き学習継続を応援しております。

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