外国人指紋押捺拒否事件とは

憲法判例
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指紋押捺拒否事件ってどんな事件ですか?

判例を読んでみましたが、よくわかりません。

誰かわかりやすく教えてください。

外国人指紋押捺拒否事件とは?

事案

ある外国人(ヌメよしとする)が新規で外国人登録を申請した際に、指紋の押捺をしなかった。そのせいでヌメよしは逮捕されてしまった。

これに不服があったヌメよしは、指紋押捺制度が憲法違反ではないかと訴えをおこした。

判旨

  1. 指紋はそれ自体では個人の私生活や人格、思想、信条、良心など個人の内心に関する情報となるものではない
  2. しかし、採取された指紋の利用方法次第では個人の私生活あるいはプライバシーが侵害されるおそれがある。
  3. 憲法13条は国民の私生活上の自由が国家権力の行使に対して保護されるべきと規定しているため、何人もみだりに指紋の押捺を強制されない自由を有するものというべきである。
  4. この指紋の押捺を強制されない自由は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される。
  5. しかしながら、指紋押捺を強制されない自由も国家権力の行使に対して無制限に保護されるものではなく、公共の福祉に反するときは相当の制限を受ける。

外国人指紋押捺拒否事件のポイント

  • 指紋自体はプライバシー情報とはいえないが、使用方法次第ではプライバシー侵害の恐れがある
  • 憲法13条により、何人もみだりに指紋押捺を強制されない自由がある
  • それは日本にいる外国人にも等しく及ぶ
  • 本件訴えは憲法13条には違反しない

もう少しかみ砕いてみます。

指紋から心の内がわかるようなことにはならない。しかし使い方次第ではプライバシー侵害の可能性がある。

でも指紋押捺を強制されない自由を持ち、外国人にもその保障は及ぶ。

ただし、この自由は絶対的なものではなく公共の福祉の制約を受ける。

つまり指紋押捺拒否事件は合憲である。が、憲法の趣旨には反する

外国人指紋押捺拒否事件の出題例

試験での問われ方は3つあると思います。

・日本人には憲法13条より、指紋捺印を強制されない自由を有するが、日本に在留する外国人にはその保障は及ばない

・国家機関が正当な理由なく指紋押捺を強制することは憲法13条の趣旨に反し、憲法に違反する

・指紋から人の内心がわかることはないため、プライバシーとしては保護されない

全て答えは誤りです。どこが間違っているのか?ポイントの部分を見て、しっかり確認しておきましょう。

まとめ

今回は指紋押捺拒否事件について解説してきました。この判例も過去に出題事例がいくつかあるため、これからも出題される可能性は高いです。

特に趣旨には反するが違憲ではないというところはホントに気をつけておきましょう。私はよくひっかかっておりましたので…

それでは、今回の解説がお役にたてば幸いです。

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